結婚式のスピーチをする上司が抑えておきたいコツ&例文


部下の結婚式のスピーチを頼まれたものの、スピーチの経験が無かったり、部下に対するスピーチは初めてだったりして、どう準備をしたらよいか分からず困っている方もいらっしゃいますよね。

今回は、結婚式のスピーチを頼まれたときの話し方や時間、注意点などをご紹介します。

結婚式のスピーチの話し方や時間とは

スピーチをするからには、しっかり聞き手に伝わるように話したいものです。

そのためには、わかりやすいようにハキハキと話すこと。早口だと聞き取りにくくなるので、落ち着いて話します。

声が小さ過ぎると聞き取りにくく、大き過ぎると耳障りなので気を付けてください。最近のマイクは性能がいいので、普通に話しているときぐらいの大きさで十分です。声が割れてしまう場合は、マイクから口を15~30cmぐらい離してみてください。

ゆっくり、はっきり、はつらつとしたスピーチは、生き生きと輝いて見えるものです。

もちろん、表情も大切です。仏頂面(ぶっちょうづら)よりも、さわやかな笑顔で話すように努めましょう。

なお、「えー」「あー」「あの」「ええと」「~ですね」などを繰り返す癖は、聞き苦しいので気を付けてください。

また、必要以上に聞き手を笑わせようとしたり、感動させようとしたりすると、逆にしらけてしまうので、自然に話すように心がけましょう。

~印象の良いスピーチのコツ~

視線に注意する

基本的に視線はまっすぐにし、時々は会場全体をゆっくりと見回すようにすると良いですね。足元を見ていると陰気な印象になるので気を付けましょう。

スピーチの中で新郎新婦や会場内にいる人のことを話す場合は、視線だけではなく体全体をその人のほうに向けます。その人のことを指し示す場合は、手のひら全体を使うようにします。

お酒を飲み過ぎない

酔っ払いながら話すのは見苦しい印象を与えてしまいます。緊張をほぐすためにお酒の力を借りたくなるかもしれませんが、「舌が滑らかになる程度」を超えないように気を付けましょう。

姿勢に気を付ける

背筋、首筋をのばし、胸を張って堂々と立ちましょう。肩の力は抜いて、あごをひくと姿勢も良く見えます。男性は足を外側に向けて少し開くと、堂々として見えます。女性はかかとをつけて、つま先を開くようにしましょう。

手の位置に気を付ける

手は自然に横におろすか、前で軽く組みましょう。女性は前で組むのが一般的です。

歩きながらスピーチしない

芸能人のショーではないので、スピーチ中にマイクを持って歩き回るのはNGです。

マイクの位置に注意する

マイクはあごよりやや下にくるように調節を。声が割れるようなら、マイクから口を15~30cmぐらい離しましょう。お辞儀をする場合はマイクにあたらないように、ある程度離れて姿勢を正し、腰から身体を45度に折り曲げます。

目を閉じたまま話さない

まれに、目をつぶって話す人がいますが、聞き手には妙な印象を与えてしまうので、目は開いて話すこと。あがったときは知り合いのほうを向き、その人に話しかけるような気持ちで話しましょう。

スピーチの時間は5分以内に

披露宴でのスピーチは新郎新婦への「はなむけの言葉」です。

あふれ出るお祝いの気持ちとはいえ、スピーチが長くなっては会場のゲストが疲れてしまいます。スピーチの所要時間は5分を心がけるようにしましょう。

上司によるスピーチの基本の構成&例文

スピーチには基本となる構成があります。構成に沿ってスピーチ内容を考えましょう。

基本構成1:自己紹介

結婚式のスピーチでは、上司であるという事を冒頭に話すのが基本。

この時に心がけるべきことは、自分の紹介でありつつも、新郎新婦との関係性を説明しながら、あくまでも新郎新婦を主役にするという事です。

例)「ご紹介にあずかりました、わたくし、新郎〇〇君の会社の上司であります△△と申します」

基本構成2:祝辞

自己紹介をした後には、その流れで新郎新婦と両家の方々に祝辞を述べます。

結婚式のスピーチで上司の立場で話すと言っても、役割としては出席者の代表として話すのですから、お祝いの言葉は欠かせません。

※新郎新婦や両家の家族が立って聞いている場合は、祝辞を終えたら「どうぞ皆さまご着席ください」と言って着席を促すことを忘れずに。

例)「〇〇君、□□さん、また、ご両家の親族のみなさま、本日は誠におめでとうございます。はなはだ僭越ではございますが、ご指名を頂戴いたしましたので、お祝いを述べさせていただきます。どうぞ、皆さまご着席ください」

基本構成3:エピソード紹介

祝辞を述べた後は、新郎もしくは新婦とのエピソードを紹介します。

この時のポイントは、最終的には新郎新婦のことを褒めたたえる内容にすることです。

結婚式スピーチで上司が話すなら、仕事でのエピソードが適切です。職場での新郎または新婦の人柄や仕事ぶりで素晴らしい所を紹介してください。

【例1】新郎の上司の場合
「新郎の〇〇君は、営業マンとして私共の部署で活躍して頂いています。上司や先輩にも物おじせずにコミュニケーションをとり、宴会となると必ず面白い一発芸を披露してくれていますが、いつもそのネタが少々古く、新入社員には伝わらないこともあります(笑)」

※ここで少し新郎を落としておきます。

「しかし、そのコミュニケーション能力の高さは部署ナンバーワンで、取引先からも厚い信頼を寄せられ、その結果が営業成績にも良く表れています」

※最終的には褒めて締めます。

【例2】新婦の上司の場合

「新婦の〇〇さんは、昨年から営業部の一員として私たちと共に働いています。〇〇さんはとても気配り上手で、部内のムードメーカー的な存在です。明るい性格ときめ細かな対応で、クライアントから『ぜひ指名〇〇さんに担当してほしい』と指名が入るほど信頼を得ています。またお菓子作りもプロ級の腕前で、社内のイベントでは『〇〇さんのお菓子教室』が開かれたほどです。ぜひそのすばらしい能力を家庭でも発揮してくださいね」

基本構成4:二人へのエール

エピソード紹介をし終えたら、新郎新婦にエールの言葉を送って、スピーチの締めに。結婚式スピーチを上司の立場からするといっても、この新郎新婦へのエールは、人生の先輩として伝えてください。

例)「私は今年で結婚24年目を迎えます。家内とはつまらないことで喧嘩をしますが、夫婦は思っていることを我慢してはいけません。相手に自分の気持ちや思いを素直に伝えることが、長い目で見れば、夫婦円満の秘訣なんだと思います。お二人もぜひ、これから長い人生で協力し合って幸せな家庭を築いてください!」

上司のスピーチ例文

一般的な上司のスピーチ例文を用意しました。新郎の上司、新婦の上司それぞれの例文があるので、参考にしてくださいね。

=新郎の上司のスピーチ例文=

ただ今ご紹介に預かりました、株式会社□□□営業部部長の田中でございます。

本日はこのようなおめでたい席にお招きいただき、厚く御礼申し上げます。

山田君、穂香さん、本日はご結婚まことにおめでとうございます。

ご両家の皆様方におかれましても、心よりお祝い申し上げます。

ご来賓の方々を前に僭越ではございますが、ひとことお祝いの言葉を述べさせていただきます。

みなさま、どうぞご着席ください。

新郎の田中君は入社以来、営業一筋で早7年。今では地域営業部チームをけん引するリーダー的存在で、仲間からの信頼もとても厚い青年です。

入社当時から勉強熱心で、何事も先頭に立って行動する姿が印象的な田中君ですが、チームの業績が伸び悩んだ時期は、他部署に話しを聞いて対策を考えたり、お客様のもとに足を何度も運んだりと、先陣を切ってアクションを起こしてくれたことが印象的です。

ピンチの時にも動じることなく、みんなをまとめてくれる田中君は、私どもが期待を寄せる自慢の社員でございます。

聞くところによりますと、穂香さんとは趣味の登山を通じてと出会われたと伺っております。

夫婦とは、ふたりで協力して家庭を築き、二人三脚で人生を歩んでいくものだと思います。これまで田中君、穂香さんでいろんな山を登ってきたと思いますが、これからはふたりの人生という山を一緒に登ってゆくことになりますね。

晴天の日もあれば荒天の日もあると思いますが、ぜひ力を合わせて幸せな家庭を築いてください。

つたない挨拶ではございましたが、おふたりの末永いご多幸をお祈りいたしまして、私からのお祝いの言葉とさせていただきます。田中君、穂香さん、本日は誠におめでとうございました。

=新婦の上司のスピーチ例文=

英俊さん、穂香さん、この度はご結婚おめでとうございます。

また、ご両家のみなさまにも心よりお慶び申し上げます。

ご起立のみなさま、どうぞご着席ください。

ただ今ご紹介にあずかりました、新婦の勤める鹿山病院で看護師長を務めております、牧野と申します。

本日はおふたりの門出をお祝いし、まことに僭越ではございますが、ひとことご挨拶させていただきたいと思います。

新婦の穂香さんが看護師として私たちと一緒に働くようになったのは、今から5年ほど前になります。彼女は小柄でかわいらしい印象ですが、実は芯はしっかりしています。日頃の仕事をしっかりと行いながら、研修にも積極的に参加するなど、勉強熱心で院内でも信頼されています。

夜勤もあり体力的に大変な部分も多い職場ですが、穂香さんはいつも笑顔を絶やさず、患者さんからもとても人気があります。私はそんな彼女を見て「華奢な体のどこからそんなエネルギーが湧いてくるのか…」と感心するばかりです。

いつも笑顔の絶えない穂香さんは、職場のムードメーカーでもあります。彼女の周りにいるとなぜか元気をもらえるんですよね。これからはその素敵な笑顔で、家庭も明るく照らしてくださいね。

新郎の英俊さんには、本日初めてお目にかかりましたが、やさしく誠実な人柄が感じられ、穂香さんを大切にしてくれると確信しております。

ここでおふたりにお願いがございます。それは、これから先、常にお互いを思いやる気持ちを忘れないでほしいということです。

長い間一緒に過ごしていますと、感謝すべきことも当たり前のことのように感じがちになります。

家庭を築いていくには、ふたりの協力が不可欠です。お互いに大変な時、疲れている時もあると思いますが、思いやりの気持ちを忘れずにいてほしいと思います。

思いやりや感謝の気持ちは声に出さないと伝わらないこともあるので、時には「いつもありがとう」と伝えあえるような関係を築いていただけたら幸いです。

最後になりますが、おふたりの末永い幸せと、ご両家のみなさまのご多幸を心よりお祈り申し上げまして、私のお祝いの言葉とさせていただきます。ありがとうございました。

結婚式のスピーチでやってはいけないこと

・忌み言葉、重ね言葉は避ける

・暴露話や過去の恋愛についての話は避ける

・砕けすぎた内容や話し方にはしない

・自慢話はしない

まとめ

●スピーチ時は姿勢・視線・手の位置に注意する

●歩きながらのスピーチ、目を閉じたままのスピーチはNG

●スピーチの所要時間は5分を心がける

●スピーチの基本的な構成に沿って内容を組み立てる

●結婚式のスピーチでは忌み言葉、重ね言葉は避ける、暴露話や過去の恋愛についての話は避ける

結婚式のスピーチのポイントを抑えて、成功させましょう。