自社内で来客を迎える時のビジネスマナー

来客があった時に上司から迎えに行くようにと指示されることがあります。こうした時にもビジネスマナーというものがありますので、このマナーに従ってお客さまを迎える必要があります。

お客さまのペースに合わせたお出迎えと案内

自分にとって自社の内部は勝手知ったる場所であるため、どこに何があるのか分かっています。しかし自社に初めて来た方にとっては、まったく知らない場所になるので少なからず不安を感じているものです。

ですからこうしたお客さまを案内する時には、相手の気持ちになって案内を行なわなければ、知らないうちに失礼な態度を示していないかどうかを考えなければなりません。まずは相手への配慮を示すようにしましょう。具体的にはどのように配慮を示せるでしょうか?

歩く速さを調節する必要があります。
普段あまり意識していない点かもしれませんが、人は誰でも知っている場所を歩く時と、見知らぬ場所を歩く時とでは歩くスピードが変わるものです。もちろん見知らぬ場所では慎重になるため、少し歩行スピードは遅くなります。

ですからお客さまの歩くスピードに合わせて少し自分のスピードを落として歩く事はとても親切です。案内している時はお客さまの2、3歩前が望ましいでしょう。

さらに目的地がどこかという点がわからないと、相手は不安を感じるものなので、出迎えに行った最初の段階で「○階の応接室までご案内致します」というように目的地を自然に伝えてあげることができます。もちろん「荷物をお持ちしましょうか」とお声がけすることも忘れてはいけません。

上座・下座を常に意識するようにする

お客さまを案内している最中でも、それぞれの場所において上座と下座が存在しています。決してお客さまに下座に立たせないようにすることも、ビジネスマナーの1つです。例えば社内のどこに上座と下座があるでしょうか?まず廊下を歩く時に注意しなければなりません。廊下を歩いている時には上座が「廊下の中央」になるため、自分で中央を歩くのではなくお客さまに中央を歩いていただき、自分は「廊下の下座である右端」を歩くようにしましょう。このルールに従うと自然とお客さまの右斜め前を歩くことになります。

またエレベーターにも上座と下座があります。エレベーターの中では奥が上座であり、スイッチの前が下座になります。そのためエレベーターに乗る時にはお客さまに先に奥まで乗って頂くようにします。

仮にエレベーターがいっぱいになっており奥まで入れない場合は次のエレベーターを待つようにしましょう。エレベーター内に入ったら制御盤の前に立ちますが、お客さまに背中を向け続けるのは失礼にあたるので、体の向きを変えて少しお客さまの方に体を向けるようにします。

少し細かい点ですが、決してお客さまを下座に立たせてしまわないように注意しなければなりません。

きめ細やかな気配りを常に示す

お客さまを迎える時は、安心してもらえるようにするために最善を尽くさなければなりません。お出迎えの際「お荷物をお持ちしましょうか」「○階の会議室までご案内します」というお声がけをして目的地をきちんと告げます。

廊下を歩く時もさり気ない会話で安心感を持って頂けるようにし、階段を登る時には「階段がございますので、お気をつけください」「お先に失礼致します」という言葉で先に上り、上座の手すりの方に案内して差し上げる事ができます。曲がり角に来たら、早目に曲がる方向を伝えることで事前に曲がる準備をして頂くようにします。

このようにお客さまが初めてきた場所であっても、すでに知っているかような気持ちを持っていただけるように案内することが目標となります。