スーツは自分のために着るのではない
学生の時には、自分の着たい洋服を着てオシャレを楽しむことができました。
もちろん社会人になってスーツを着るようになったからといって、オシャレを楽しめないというわけではありません。
しかし社会人になると、どのようなスーツを着るのかという事は自分だけの問題ではなく、自分の会社の印象を決めてしまうことあります。
逆の立場で考えてみると、この事は良く理解できるかもしれません。
新しい取引先の方が営業に来た際、その方の着ているスーツがシワだらけであったり、汚れが酷かったり、奇抜なものであるとどのような印象になるでしょうか?
このような社員を送るなんて、会社自体に何か問題があるのではないかという印象を抱くかもしれません。
いわば会社にとって社員とは自社の顔のような存在ということです。
着ているスーツは相手と声を交わす前に目に入ってしまうため、商談前に相手がこちらに対して抱く印象に大きな影響を与えることになります。
正しい言葉遣いも大切ですが、好印象を与えるスーツを着ることで相手への「礼儀」を示し、「会社の品格」「信頼感」をアップさせることもできます。
自分が満足できるスーツを選ぶのではなく、相手の印象を良くできる「感じの良い」スーツを着ることは大切です。
取引先に好印象を与える事のできるスーツとは?
スーツについて考える時には、スーツの大きさ、色、スーツの数に注意する必要があります。
まず適正の大きさについて考えてみましょう。
仕立ての良いスーツであっても体のサイズに合っていない場合、だらしのない印象を与えてしまったり、締まりのない人というイメージを残してしまいます。
肩幅は背広が肩から落ちてしまわないサイズ、背広の丈は手を伸ばした状態で中指の第2関節までの長さ、自分の胸囲に合っているかどうかを意識すると大き過ぎる背広にならないようにできます。
スーツの色は上品な雰囲気を醸し出す「チャコールグレー」と真面目さや知性を連想させる「濃紺」の2色を用意しておくようにすれば十分です。
理想的にはそれぞれの色を2着ずつ計4着購入しておけば、スーツを長持ちさせることもできるので一番経済的です。
スーツの色で多いのが茶色系ですが、先程の2色に比べるとカジュアル色が強くなるので、社外の方と打ち合わせや会合をする時には避ける方が無難でしょう。
新入社員のスーツの金額としては1着3万円、主任のポストに就いている場合は5万円、管理職になったら10万円という数字を参考にすることができます。
最近では3万円からでもオーダースーツが作れますので、こうしたサービスも利用できるでしょう。
姿勢から始まる着こなし術
確かにスーツの大きさや色によって相手に与える印象は大きく変わってきます。
ブラック系の色を着ているとフォーマル感を強く出すことになるため、見る人は自然と役職についている人物と判断しやすくなります。
新人であるうちはブラック系を避ける方が無難です。
またスーツにストライプが入っているとスリムな印象を与えるので、体型に不安がある場合にはこうしたスーツを選ぶこともできます。
しかし、目に見える部分にだけに注意すれば良いということではなく、身だしなみには「姿勢」も含まれてきます。
どんなに良いスーツを着ていたとしても背中がいつも曲がっていたり、下腹部に締まりがないとだらしなく映ってしまいます。
常に頭の先からつま先まで1本のラインが通っているかのようなイメージを自分で持ち、正しい姿勢を保つようにしましょう。
時々大きな鏡を使って、体のラインがズレてきていないかを確認する習慣を持つようにしましょう。
こうした点に注意していれば、あなたを通して清潔感、信頼感、品格の良さといった良いイメージを相手に伝えることができるようになります。
個人的な好みだけでスーツを選ぶのではなく、社会人として会社のイメージもきちんと守るように、スーツによってどのような印象を与えているのかを常に意識するようにしましょう。