ネットを利用したメールはビジネス上欠かすことのできないものになり、手軽に用件を送信することができます。また手書きではないため字の綺麗さも関係ないため便利なコミュニケーションツールです。しかし便利なツールだからこそ、そこにはビジネスマナーが必要になります。
メールを送る時の件名は分かり易いが基本
普段メールを使う時にはそれほど考えることはないかもしれませんが、ビジネスメールにおいて件名は非常に重要です。
メールを受信した人はまず件名からメールの内容を判断することになります。まず件名に含めなければいけない事は「社名と送信者の名前」です。ビジネスメールの件名にこの情報が入っていないと、処理の順番が遅くなってしまったり、受信者がメールを整理する際に煩わせてしまう可能性があります。
加えてメールの件名は「分かり易いもの」である必要があります。例えば「昨日の件でメールしました」と書かれていた場合はどうでしょうか?メールを送った本人としてはどの件について書いているのかということは明確ですが、受取る側からすると昨日の件は複数ある可能性があるため、この件名では分かりづらいということになります。
他には「確認をお願いします」という件名ではどうでしょうか?確認しなければいけない事はわかりますが、どれほど重要性のあるものなのか、何を確認しなければいけないのかがメールを開かなければわかりません。ですからこのような件名はビジネスシーンでは避けるべきでしょう。
良い件名の例としては「昨日の見積もりの件についてご確認をお願い致します」という内容であれば、確認する内容について件名だけで理解することができます。
さらに相手にメールの重要度を分かってもらうため、返信が緊急に必要な場合は【】の記号で括って緊急、至急、重要といった単語を件名に記すようにします。件名を書く時は相手がひと目で見て内容を把握できるようにするのがマナーです。
省略をせず正式な宛名を記入する
間違っているビジネスメールの実例として、宛名を「会社名、個人名」にしてしまうという事です。もちろん、既に何度もやり取りをしている相手であれば、宛名を詳しく書く必要はありません。
しかし最初にメールを送る時には、「会社名、部署名、肩書、名前」を記載するのがビジネスマナーです。全ての内容を書いてしまうと長くなってしまうと感じるかもしれませんが、この部分は妥協して良いところではありませんので必ず正式な内容で宛名を書くようにしましょう。但し宛名を正式に全て記載するのは最初の1回だけで、次回からは「部署名、名前、肩書」のみの省略した内容でも良いでしょう。
やはり宛名に関しても最初にメールを受け取った受信者が判断し易いようにするという相手の立場に立った視点が必要となります。
挨拶文は簡潔・丁寧に
ビジネスメールでは挨拶文を入れることもマナーの1つです。しかしあくまで挨拶であり、本題ではないためあまり長々とした内容はふさわしくありません。メールの場合には「突然のメールで失礼いたします」「いつも大変お世話になっております」などの一文を最初に添えるなら失礼のない簡潔な挨拶となります。
手紙やハガキのようなながながとしている時候の挨拶のようなものはメールでは必要ないでしょう。ちょうど電話で会話する時の挨拶をイメージすると分かり易いでしょう。
文章の書き方に表れるビジネスマナー
文章を書く時には相手の気持ちにならなければいけません。本当に「読みやすい」内容になっているのかどうかを必ず確認するようにしましょう。一番やってはいけない文章は、改行や区点もない文字の羅列です。
書いている本人は自分の言いたい内容なので、多少文章が複雑でも内容がわからないということはないかもしれません。しかし他人が見た場合「文章が長い」「区点がない」「空行がない」といったメールは非常に理解しづらい内容になってしまいます。
大体の目安ですが1つの文章の長さは30文字~40文字以内に収め、3つの文を1つの塊として考えてその後空行を入れていくようにしましょう。たったこれだけで激的に文章の分かりやすさが変わっていきます。こうした塊はメールの中で最高5つまでにして、それ以上の内容になる場合はPDFの形で添付ファイルとして送信する方が理想的です。
メールの結びはへりくだった言い方
挨拶の言葉と同じように、結びの言葉も簡潔でありながら丁寧な表現を使う必要があります。例えば「今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます」「ご不明点がございましたら、お問い合わせください」「大変恐縮ですが、ご検討をお願い申し上げます」という結びを使うことができます。とはいえ結びの言葉はメール本文と関係してきますので、状況に合わせて変更することができます。
最後まで相手がメールに対してどのようなイメージを持つのかという視点で確認するようにしましょう。
ビジネスメールは結びの挨拶で終わるわけではなく、最後に署名を入れるのがマナーです。署名は「会社名」「担当部署」「会社の住所と郵便番号」「電話番号とFAX番号」「メールアドレス」「携帯番号」が必要です。特に営業職など社内を不在にする可能性の高い方は、携帯番号を署名に含めるのを忘れないようにしましょう。