贈り物はこちらの「感謝の気持ち」「祝福の気持ち」「お見舞いの気持ち」などを目に見える形で示すためのものです。贈り物を送る機会としては、ビジネスシーンではお中元やお歳暮、結婚式、出産祝い、葬儀、見舞いといった場面があります。社会人として贈り物を送るのではあれば、当然マナーや常識が贈り物に表れている必要があります。
贈り物は相手の気持ちを考慮して送るもの
贈り物を送る時の最大のマナーはどんな物を送るのか、どんな物を送ってはいけないのかという事ではありません。最大のマナーは相手の事を思い、相手が喜ぶ物は何かということを考えて送る、つまり相手の気持ちになって考えることです。
自分はこれが良いと思うので送るということではないわけです。極端な言い方をすれば、ある場面では送ってはいけないとされている物であっても相手が望んでいるのであれば贈り物として選んでも問題はないということです。
贈り物のマナーについて考える時には、最初に相手が望んでいるものかどうかを考えるようにし、その後細かいマナーについて考えることができます。
現金を贈り物として送る時のマナー
贈り物を準備する時に、相手の事を考えても、考えても良い贈り物が見つからないということもあります。そのような時には贈り物として「現金」を送ることも間違っていることではありません。
人によってはあまり必要のない物や好みではない贈り物よりも、現金の方を好むこともあります。ではどのように現金を送ることができるのでしょうか?
例えば出産祝いを送る際は、ご祝儀袋に現金入れ、袋にはベビー用品料と記載して現金書留で送ることができます。これは他の場合でも同じであり、○○料と書くことで単に現金を渡すだけではなく、相手の事を考えて送っているという意志を伝えることもできるようになります。
受取る側も現金のみが入っているよりも、贈り物としてのイメージを抱きやすいので、現金を送る時のマナーとして覚えておきましょう。
友人や年齢の近い親戚関係であれば現金を送る場合、このようなマナーを守っていれば問題になる事はありません。
しかし年齢が目上である場合は現金を送ること自体が相手の生活が苦しいのではないかというイメージを与えてしまうこともあるため、現金を送るよりも商品券を送る方が良い場合もあります。
どうしても決められないという時は無難な商品券を選択するようにしておけばマナー違反になることはないでしょう。
場面ごとの贈り物マナー違反
贈り物の場面で一番多いのがお祝いかもしれません。
お祝いで気をつけるマナーは不吉な物を贈り物として選ばないということです。例えば結婚式の時に「9」「4」といった数字が入っている贈り物は「苦しむ」「死ぬ」というイメージに繋がりやすいため通常は選ばない方が良いでしょう。
同じ意味合いで「櫛」はやはり「9」「4」というイメージなる物なので一般的にはお祝いの贈り物としては選ぶことはありません。さらに相手に縁を切るというイメージにつながる「ハサミ」「ナイフ」といった贈り物もマナー上ふさわしくないとされています。
その他の不吉なイメージになってしまうものとしては「お茶」があります。これは葬式や通夜をイメージさせる可能性があるためお祝いの際には選ばない方が妥当です。
他には「お皿」「ガラス」といった贈り物は割れてしまうものなので、結婚の贈り物としては選ばない方が妥当かもしれません。しかし近年ではこうした割れ物であってもお祝いの品として選ばれていますが、それでもマイナスイメージがつきまとうため「輝かしい未来が待っていますように」「二人で幸せな人生を切り開いてください」というメッセージを添えることができるでしょう。
病人のお見舞いに贈り物を持って行く時には、どのようなマナーが必要でしょうか?まず病院自体が生花を許可していない場合もあるため、花は初めから避ける事ができます。加えて鉢物の植物を贈り物とすると「病院に根付く」という意味合いで付いてしまうため縁起的に良くないイメージになってしまいます。同じ理由で長いタオル、寝間着といった贈り物も入院期間が伸びるというイメージになるため一般的にはマナー違反となります。
このように多くのマナー違反になるような贈り物がありますが、相手が望んでいる場合には送っても問題はないのであくまでマナーであるという意識でいるようにしましょう。やはり大切なのは相手を思う気持ちです。