社会人になると、仕事で車を運転する人も少なくありません。
車に乗り慣れている人も、そうでない人も、車に乗るからには車のメンテナンスについて知っておくことは大切です。
車のメンテナンスが行き届いていないと、「燃費が悪くなる」「アクセルが効きにくい」「ガタガタする」などのトラブルが起こりやすくなりますし、重大な事故や故障につながる恐れもあります。
今回は、社会人なら知っておきたい車のメンテナンスについて解説します。
車のメンテナンスは故障や事故の防止のためにも必要!
車は多くの部品から構成されているため、どこか1つのパーツでも不具合があると本来の機能が十分果たせなくなります。
車のトラブルを防ぎ、長持ちさせるためには、消耗品である部品の交換が必要です。
ここでは、部品交換時期の目安をパーツごとにみていきましょう。
エンジンオイルの交換時期
エンジンは車を動かすための心臓と呼べる存在です。そんなエンジン動作に関わるエンジンオイルは車にとっての血液のような存在のため、車のメンテナンスの肝といっても過言ではありません。
空気に触れることで酸化し、劣化していくものですから、部品と同じで消耗品と考えておきましょう。
メーカーの指示では、走行距離5,000~10,000㎞、あるいは半年での交換が一般的とされています。
しかし、厳密には走行距離と使用期間、エンジンの種類によってエンジンオイル交換のタイミングが決定します。
◆エンジンオイル交換時期早見表
ガソリン | ディーゼル | |
普通車 | 15,000㎞もしくは1年 | 10,000㎞もしくは1年 |
ターボ車 | 5,000㎞もしくは半年 | 10,000㎞もしくは1年 |
軽自動車 | 5,000㎞もしくは半年 |
あくまでも目安ですので、高速道路を頻繁に走行する、1回の走行距離が短すぎるなどの状況下では交換時期がこれより早まることがあることを覚えておきましょう。
タイヤやワイパーの交換時期
車の走行に直接的な影響を与えるのがタイヤです。
タイヤのメンテナンスを怠ると、パンクやスリップ、衝突事故など重大なトラブルを招きます。
タイヤの交換時期は製造年月日から4年程度と考えられています。
新車を購入、あるいは新品のタイヤに交換してから5年以上経過すると、ブレーキ性能を低下させたり車検に通らなくなったりします。
タイヤの製造年月日が分からない場合は、サイドウォール(側面)の3桁~4桁の数字を確認してください。
数字の下二桁は西暦を、上二桁はその年の週数を表しています。
(例:0119→2019年1月第1週)
もう一つ重要な部品がワイパーです。
ワイパーはブレードとゴムの2つの部品からできており、別々に交換することが可能となります。
ブレードは2年に1回、ゴムは1年程度で新しいものに取り換えるのが望ましいです。
そのほかの部品交換時期
車はエンジンルームを中心に、足回りやエクステリアに様々なパーツが用いられています。
表を参考に部品の交換を行い、愛車の寿命を延ばしてあげましょう。
◆車の消耗パーツ交換時期早見表
オイルフィルター | オイル交換2回に1回 |
バッテリー | 2~3年に1回(最大5年) |
ブレーキオイル | 車検ごと(2年)に交換 |
ブレーキパッド | 走行距離3~4万km |
冷却水 | 車検ごと(2年)に交換 |
エアクリーナー | 走行距離1万km、年1回 |
エアコンフィルター | 1年に1回 |
スパークプラグ | 走行距離3~4万km |
車の種類や年式、エンジン、使用・環境状況によっても変わりますので、こまめに点検することが大切です。
初心者でもできる車のセルフチェック&メンテナンスのポイントは?
いざ自分で車をメンテナンスするとなると、方法が分からないという方も多いのではないでしょうか。
ここでは、車のセルフチェックを行うべき2カ所「エンジンオイル」「タイヤ」と、自分でセルフメンテナンスしやすいワイパーについて紹介します。
エンジンオイルを点検する方法
エンジンオイルを点検する前に、まずは地面が平らな場所に車を止め、エンジンを切ってください。
1~2分待ってからボンネットを開け、エンジンルーム内のオイルレベルゲージを探します。
オイルレベルゲージを抜き取り、ウエスなどで拭いてから汚れのない状態で再度しっかりと差し込んでください。
オイルレベルゲージを引き抜き、エンジンオイルの量を確認します。
上限の「F(FULL)」と下限「L(LOW)」の間にオイルが付着しているかどうかがポイントです。
エンジンオイルがLを下回っている場合は、エンジンオイルの交換が必要になります。
タイヤを点検する方法
タイヤの点検は目視でできるため初心者でも簡単です。
溝の深さや亀裂、キズ、たわみなどをチェックしていきましょう。
タイヤの溝は新品のもので8㎜程度ですが、徐々に溝が浅くなっていきます。
残り1.6㎜が使用限度ですが、残り3~4㎜くらいになると性能が低下し、濡れた道路で滑りやすくなったりグリップ力が低下したりします。
残り3.2㎜を目安に交換するのがベターです。
タイヤ側面のスリップサインが見えると車検に通らなくなるどころか、1.6㎜未満の状態で走行すると道路交通法違反として罰せられる可能性もあります。
交換時期よりも早めに点検しておきましょう。
ワイパーを交換する方法
ワイパーの交換は自分で行うことができます。
ブレードごと交換したほうが手間は省けますが、費用を抑えたいのであればワイパーゴムのみの交換で対応することも可能です。
ワイパーブレードを交換するときは、ワイパーアームをしっかりと立たせ安定した状態にしてください。
ストッパー部分を押さえながら、ブレードをスライドさせ取り外します。あとはアームを外して新しいブレードを逆の手順で取り付ければ完了です。
ワイパーのゴムのみを交換する際も、一旦ブレードを取り外したほうがスムーズです。
ブレードを取り外した状態でワイパーゴムを引き抜き、バーテブラ(金属製の部品)を新しいものに差し替えます。
最後にワイパーアームとブレードを元に戻せば完了です。
車のメンテナンスの費用はどれくらい?
車をメンテナンスするにはどれくらいの費用がかかるのでしょうか。
部品やパーツごとの価格の相場をみていきましょう。
エンジンオイルの交換費用
エンジンオイルの交換にかかる費用は、どこに依頼するかによって、また車種や車のタイプによっても大きく異なります。
基本的にはオイル料金のほかに、人件費やサービス料金などが加算された費用がかかります。
例えば、ガソリンスタンドでオイル交換してもらうと、1Lあたり1,000円が相場となり、合計7,000~8,000円程度必要です。
ディーラーで交換してもらった場合は、1Lあたりの料金が200~500円ほど高くなることがあります。
オイル交換に加え、フィルター交換やエンジンクリーニングなどのオプションを追加すると、さらに高額になる場合があるため、事前に料金の確認をしておくと良いです。
そのほかの部品交換費用
そのほかの部品交換費用の相場についてまとめました。
◆車の消耗パーツ交換費用(本体価格+作業代)早見表
タイヤ | 40,000円~ |
ワイパー(ブレード、ゴム) | 2,000円~ |
オイルフィルター | 2,000円~ |
バッテリー | 10,000円~ |
ブレーキオイル | 4,000円~ |
ブレーキパッド | 9,000円~ |
冷却水 | 5,000円~ |
エアクリーナー | 3,000円~ |
エアコンフィルター | 2,000円~ |
スパークプラグ | 5,000円~ |
まとめ
車に乗るのであれば、車のメンテナンスは必須です。
社用車だからといって、車のメンテナンスに無頓着でいると、トラブルが起きる可能性もゼロではありません。
また社用車は、自分だけでなく、ほかの人が利用することもあるでしょう。
日頃から車の状態に気を配り、気になる点があれば、上司や車の管理をする部署に伝えることが大切です。
車のメンテナンスは、車のトラブルを防ぐことにつながります。
自分はもちろん、会社の人が車のトラブルに遭わないように、車のメンテナンスの知識をしっかり頭に入れておきましょう。
◆この記事の監修
当記事で車のメンテナンスについて記載するにあたり、車の修理・事故車買取のタイロッド様にて監修をいただいております。