私は現在26歳・男性です。
私が新卒で入った会社を辞めたときの経験を語ります。
当時は大企業が不安定化していることが世間的に話題になっていたころで、「安定した優良中小企業」や「地元密着型」の企業がもてはやされていました。
私自身、大手に入社出来るほどの経験や知識・技術がなかったこともあり中小企業の営業職を中心に就職活動をしていました。
熱意を持って就職活動をしたわけでもなく、業界研究や対策をしたわけでもありませんでしたが、安定した成長をしている医療系企業に内定をもらいました。
営業職がしたかったが、3ヵ月で脱落
営業職を志望したのも医療系に入社したのも特に理由はありませんでしたが、安定成長をしていることは魅力でしたし医療業界は今後、世界規模で市場が大きくなるであろうことが入社の決め手でした。
私が転職を決意したのは勤務してから3ヶ月ほどたったくらいの時期でした。
とても早いと言われますが、残念ながら配属されたその部署は自分の志向や知識・性格に何一つマッチしていなかったのです。
転職を考えるにあたって決定的だった理由が3つあります。
説明会や面談と話が違う
まず第1に、説明会や面談で聞かされていた内容と実際に取り組む業務にあまりにも大きな開きがあったこと。
説明会では誰しも聞こえの良いことばかり言うものですが、そもそも営業の範疇を越えた業務内容があまりに多かったのです。
自社で取り扱っている商品やサービスを知り、顧客にどう売り込んでいくかを仕事とするのが営業職の主なイメージですよね。
実際私もそのように説明を受け、入社を決めました。
なぜなら営業職は様々な業界で必要とされる職種であり、会社の花形であることも多いからです。
将来設計とまで言えるほど精密なものではありませんでしたが、自分なりに将来のことを考えての決断でした。
しかし実際に仕事に就いてみるとそれは思い込みであったと思い知らされました。私が売り込まなくても顧客から請求があれば自動的に私の
売上として計上される類の職種であったのです。
その仕事自体を否定するわけではありませんが、少なくともその前段階で仕事内容をきちんと説明することは企業の義務であり責任です。社会に出ていない若者にとってその仕事がどんな内容かなんて絶対にわからないのですから。
具体的に説明することは出来ませんが、これはあまりに大きな違いであったので当時の私には衝撃的でした。
サービス残業が当たり前。早く帰ると怒られる
第2に、企業体質が伝統的な日本企業のそれだったところです。
新入社員には人権がありません。
気を使ってもらえることもなく、自分が気を使ってばかり。
営業職ではよくある「同行」営業ですが、先輩社員と常に一緒に行動しなければならないことは非常にストレスでした。
入社式や懇親会での一発芸の強要やお酌の強要。
みなし残業以上は残業代が出ず、サービス残業が定常化しており仕事がなくても会社に残っていなければ叱られました。
社を出た後は先輩社員との飲み会が待っています。拒否権はなく二次会まで連れて行かれると家の遠い自分だけ終電がない、ということも多々ありました。
業務外で自分の時間とお金を浪費させられるのはたまらなく不愉快でした。
ストレスでとうとう身体に悪影響が
第3に、ストレスによる激ヤセと脱毛です。
半年で10キロほど体重が落ち、その影響で頭髪がどんどん薄くなりました。
掃除してもすぐに部屋の床が黒くなっていく様子をみてこれは無理だ、と思い退職と転職を決意しました。
ちょうどその時出張先で先輩上司の理不尽な対応に「この会社にいても自分に未来はない」と実感していたときでしたので迷いはありませんでした。
もっと早く辞めてもよかったと思っています。
状況を改善するために先輩や家族に相談しましたが、「もう少し耐えろ」の一点張りでした。
自分の体調や心のことをわかってあげられるのは、つまるところ自分しかいないのだなと嫌になるほどわかりました。
今ではいい経験ですが。
今現在は職を転々としたのち、Web業界に就職しています。
勉強をしてどんどんスキルや経験を積みたいと前向きに考えています。
私は今誰もが知っている大企業に務めていますが、そういった企業ほど社員の口コミが多いのでどんな企業に行けばいいかわからない人はひとまず有名な企業の口コミや評判を調べ、または転職エージェントを利用するのがいいと思います。
もちろんどんな優良企業でも批判的な意見を書く人の方が多数です。
肯定派の意見も否定派の意見も鵜呑みは厳禁です。あくまで参考に留めましょう。
自分の志望する業界がなんとなくあるのなら派遣やバイトで潜り込んでみるのも素晴らしい経験になるでしょう。
逆に特に志望業界がなかったあの頃の自分にも大企業や有名企業を勧めたいと今は考えています。大企業には様々な部署や職種が存在します。
同じ部署で隣のデスクの人でも業務は大きく異なることが多々あります。
そういった環境にいると「こんな仕事もあるのか」と興味が湧きやすくなります。また転職する際にも名の通った企業は有利ですので色々と得をすることがあるでしょう。