kanrisha

転職で重要なのは年収?福利厚生?

現在50代後半の男性です。
今までの人生で、3度転職を経験しております。
それぞれに違う目的で転職をして、それぞれに収入にも変化がありました。

ここでは最初の転職を例として記載致します。
最初の転職は28歳の時です。
大学を卒業して5年半勤めた小企業を退職して、一部上場の世界的な製造業に転職しました。

転職動機は仕事のやりがいを求めてです。
最初に就職した小企業の事業領域は極めて狭く、一生この会社で勤めあげても自分が求めている人としての成長ができないと判断したからです。
そこで、世界的なブランドを持つ製造業に転職しました。

私の小企業での5年半の社会人生活の中で、個人的に誇れる実績を持っていた事と、当時は日本で初めてキャリア採用が一般化した時代だったという運の2つがあって、小企業から大企業に転職できる機会を得たと思っています。
年収は実は瞬間的には下がりました。

何故かと言うと、最初の小企業は慢性的に残業が当たり前の業種だったので、組合員に対しては残業代が申告通り全額支払われていたからです。

基本給は小企業並みの金額でしたが、毎月100時間を超える残業代をフルで手にしていましたので、年齢に比べて年収はとても大きな額を頂いていました。

転職した大企業の基本給は、転職前の小企業よりも若干高かったですが、残業代は労使協定の範囲内におさめてしか支払われませんでしたので、年収は確実に下がりました。

しかし、福利厚生面が充実していましたので、端的に年収だけでメリットデメリットは測れません。
私の転職動機は収入を上げる事ではなく、仕事のやりがいを求めての行動でしたから、収入で転職をした訳ではありませんので、面接の折にも給与の交渉など一切しておりません。

転職の動機に年収のアップを求める方が多いのかもしれませんが、それは私の個人的な想いとしましては単純に過ぎると思います。

誰しも給与を多く頂ける職場で働きたいと言う想いはあれど、男が社会人として一生を賭けて仕事をするという人生設計というか人生哲学の中では、給与の大少だけが全てではないと思うのです。

転職することで、年収の大幅ダウンは避けたいと思うのが当たり前の事ですが、転職時の前職と転職後の年収だけを瞬間的に比較しても意味は余りありません。

福利厚生面や、生涯賃金や、仕事のやりがいや、昇給の可能性など、総合的にみるべきだと思うからです。
年収450万円だったのが、年収600万円になるというのがステップアップというのでしょうか?

それは人それぞれの考え方によります。
当然年収が上がるのですから喜ばしいことですが、一切福利厚生のシステムが無いとか、ほとんど昇進チャンスが無いとか、退職金は少ないとか、つまらない仕事だとか、
総合的に検討して決めなければ、自らの人生の価値が上がらないと思います。

私は転職希望する皆さんには、その動機をしっかり持って行動していくべきだと申し上げたいのです。
どんな動機であっても結構ですが、その動機がしっかりしていないと、結果は好転しませんし、再就職しても明るい未来が開けるとは思えないからです。
年収アップしか考えていないという方もおられるでしょう。

それは人それぞれですから、私がどうこう言う立場にはありません。
一方で私と同様にそこそこの年収があれば、仕事のやりがいを追求したいという方もおられるでしょう。

つまり、転職の動機がどこにあるのかが問題なのです。
それを最も訴求しておきたいと思います。

転職するには個人の考え方と共に、家族の考え方も尊重する必要があります。
職場環境の違い、給与の違い、勤務地の違い、将来の不安など、家族は当然ながら人生のパートナーなのですから。

女性の営業職で結果をだせば悪口をいわれる悪循環

女性営業職として数年前働いていました。
当時は21歳で、まだまだ社会人2年目。
入社してすぐは営業という仕事が楽しく、日々増えていく知識やお客様が嬉しくて仕方ありませんでした。

頑張って結果を出した分だけプラスで支払わられる給料が嬉しくて、多少プライベートが犠牲になっても働いていました。

ですが営業職はまだまだ男性社会なので、女性営業のしかも新人の私が良い成績を出すと「生意気」、「可愛くない」と悪口を言う男性営業も多かったです。

結果をだせばだすほど、他の男性社員への圧力が

支店長や本社の人からも「新人の女性営業がこんなに売っているのに、何故長年働いている男性営業が売れないのか」と男性営業は言われていたので、嫌な気持ちになる方も多かったのでしょう。

ですが気にしていては仕方ないですし、仕事なのでと割り切って一生懸命働いていました。

ですがそんな日も毎日となるとだんだん嫌気が差してしまい、毎年増えていくノルマもこなしながらだったので営業という仕事が嫌になってしまったのです。

冷静に考えてみれば、仕事の休みも週に1回くらいで友人と遊ぶ日もありませんし、お給料はたくさんもらえても旅行に行ったりしてストレスを発散させる時間もありません。

確かに給料は高いかもしれませんが、有効に使えなければ意味がありませんし、このまま何十年もこの仕事をこの職場で続けるのかと思うと「多少給料が低くなっても良いから、もっと自分を大切にできる職場に転職をしよう」と思うようになったのです。

その後、営業職とは全く違う事務職に転職をしました。
以前の職場と比べると男女比は全く逆で、女性の方が多い職場です。

ですが、女性特有のネチネチとした感じではなく、仕事は仕事でプライベートはプライベートときっぱり分けている方が多かったのでいじめなどもなく楽しく働くことができています。

もちろんノルマなどもなく、仕事が終わったら定時で帰るというスタンスなので今まで充実させることができなかったプライベートを充実させることができました。
基本的にカレンダー通りの休みなので、連休もあって念願の旅行にも行くことができました。

給料は大体年収350万から300万円いかないくらいまで落ちてしまったのですが、後悔はしていません。
逆に、年収を上げるから前の職場に戻ってほしいと言われても絶対に戻ることはないでしょう。

確かに、利益を作り出す営業職と利益に直接関わりのない事務職の給料を比較すると営業職の方が給料が高く設定されているのは当たり前だと思います。

クレームやお客様対応など大変な仕事も多いのでそこは納得できます。

求人票を見ていても営業職と事務職の給料の差には正直驚きました。
実際に、面接の時にも「営業職から事務職となると給料も下がると思いますが、大丈夫ですか」と聞かれたのですが、例え下がったとしてももう時間を無駄にしたくないですし、仕事ばかりで生きていきたくないと思ったのです。

なので給料の交渉をしようとも思いませんでした。
「勤労は国民の義務」という言葉は確かにあります。
ですが、それは必ずしも「自分を押し殺してまで高い給料の仕事をしないといけない」という意味ではありません。

最初は給料が安かったとしても、勤続年数が長ければ長い程に給料は上がっていきます。
ですが逆に、最初から給料の高い会社に就職して、無理をして給料が上がる前に辞めてと繰り返していてはお金も貯まらないですし、周りからの信用も無くしてしまいます。

確かに給料は大切ですが、それよりも大切にするべきものがあるのかないのかをしっかり考えてみることをお勧めします。
働くのであれば「働きやすさ」を重視した方が良いのかなと思います。

そのために転職をすることは大きなステップアップです。