日本では、その人の立場によって座る位置などが概ね決められています。
これを把握しておかないと、知らないうちに大切なお客様に失礼なことをしてしまうかもしれません。
そのあとの関係性にヒビが入らないよう、座る、あるいは座ってもらう位置や椅子のタイプなどを頭に入れておきましょう。
座る位置と椅子からわかるその人の重要性
単純に言ってしまうと、偉い人の順に上座から座っていきます。
最も偉い人は最上座へ、最も身分の低い人は最下座へと座るのです。
例えその人の役職や身分を把握しておらずとも、この座る位置を見れば、どの人が最も偉い人なのかを判別することが可能です。また、これも単純に言ってしまいますが、最も偉い人は、最も質の高い椅子に座ります。革張りの椅子とパイプ椅子があれば、当然、偉い人が前者に座ることになります。
つまり、上座に上質な椅子を置き、下座に向かっていくにつれて椅子のグレードも下がっていくことになるのです。
上座と下座の位置は把握していますか?
さて、最も重要なのは、上座と下座の位置関係です。
基本的には、出入り口やドアなどから最も遠い所が最上座であり、そこから出入り口などに近づいていくにつれて下座となっていきます。出入り口などに最も違い場所が、最下座ということになります。
例外としては、例えば人を招く部屋に作業机や、お客様にあまり見せるべきではないようなものが置いてあるケース。上座に座ってもらうことで、そうした机や見せるべきではないものが視界に入ってしまうようであれば、出入り口などに近い場所を上座として座ってもらうことも考えられます。このケースで注意したいのが、椅子のグレード。お客様に座ってもらう椅子のグレードを自分たちが座る椅子よりも良いものにしておきましょう。そうすれば、位置的には下座でも、誤解を与えることを避けることができます。
どのようなタイプの椅子が上座?
椅子のタイプも重要であることは、これまで説明してきた通りです。
では、どのような椅子が、より上座に適しているのでしょうか。
より座り心地が良いもの、より値段の高いブランドなどの椅子を上座に置くようにしてください。1人用の椅子よりも、複数人が座れるようなゆったりとした長椅子の方が、上座に適した椅子と言えます。
また、背もたれや肘置きの有無も重要です。
もちろん、それらがある方が上座用の椅子であり、それらがないものは下座用として使用するようにしましょう。
来客を応接室に通す時の注意ポイント
会社などに訪れたお客様を応接室などにお通しする場合の流れと注意点を紹介します。
まずは、お客様を案内する部屋を事前に確認し、最もグレードの高い椅子が上座に置かれているか、人数分の椅子が用意されているか、椅子や室内は綺麗に掃除されているかをチェックしてください。
お客様が訪ねてこられたら部屋の前まで案内し、そこで一旦立ち止まり、「こちらでございます」と声をかけ、部屋へ入ってもらいましょう。
この時、自分よりも先にお客様に部屋に入ってもらいます。
ドアがあればそれを開き手で押さえ、お客様の手を煩わせないように注意すること。声をかけ上座に座っていただくようにし、待機が必要であればその旨を伝え、待ってもらいましょう。部屋を出る時にはしっかりと頭を下げ、相手によく聞こえるような声で「失礼いたします」などと伝えるようにしてください。
自社の社屋ではなく貸しスペースなど外で商談をセッティングする時も、手順や注意点は同じです。ただ、事前に確認を怠らないようにし、行き当たりばったりの対応にならないように注意しましょう。